ヘパリン類似物質ローション0.3%「NIT」の自主回収(クラスⅡ)に関するお知らせ

こんにちは、しおはま薬局です。

先日、保湿剤として使われる「ヘパリン類似物質ローション0.3%「NIT」」(日東メディック株式会社)の自主回収が発表されました。
お子さんの肌のケアで使われている方も多いお薬で、当薬局でも調剤の実績があります。

「回収」と聞くと、健康被害が出たのかと驚かれると思います。
今回は、回収のきっかけは健康被害ではありません。
何がきっかけだったのか、そして手元のお薬が対象かもしれないときの考え方をお伝えします。

なお、記載内容は2026年10月19日時点の情報です。

医薬品の「回収」とは

医薬品の回収とは、医薬品に品質や安全性などの問題が見つかった場合に、製造販売業者などが製品を市場から回収することです。
健康への影響を防いだり、影響が広がるのを防いだりするために行われます。
問題が見つかった場合だけでなく、念のために行われることもあります。

回収は、健康への影響の程度に応じて、次の3つのクラスに分けられています。

  • クラスI:重篤な健康被害や死亡につながるおそれがある場合
  • クラスII:一時的な健康被害や、医学的に治せる健康被害の可能性がある場合。重篤な健康被害のおそれはまず考えられない場合も含みます
  • クラスIII:健康被害につながるとはまず考えられない場合

このクラスは、製品を使った個々の方に、実際に健康被害が起きたかどうかを示すものではありません。
今回はクラスIIとして、2026年10月13日から回収が始まっています。

回収のきっかけは「健康被害」ではありません

今回の回収は、使用した方に健康被害が発生したことをきっかけに始まったものではありません。
メーカーの調査で、発がん性が懸念されるニトロソアミン類が検出され、管理値を超える、または超える可能性のある製品が確認されたため、回収が決まりました。

メーカーによると、これまでにこの物質に関連して発がん性を示唆する重篤な健康被害等の報告は認められていません。

調査は、国の指示で行われています。
2021年10月、厚生労働省が全国の製薬会社に「医薬品にニトロソアミン類が混ざるリスクを自主的に点検するように」と指示を出しました。
この点検を進める中で、メーカーが検査の方法を整えて測定し、今回の検出につながりました。
ニトロソアミン類の混入リスクについては、この製品に限らず、医薬品全般を対象とした点検が進められてきました。
今回の回収は、その点検の過程で判明した問題に対応するためのものです。

ニトロソアミン類とは

ニトロソアミン類は、アミン類と亜硝酸塩という物質から作られる化合物です。
体の中で変化して、細胞の遺伝子を傷つけることで、発がん性を示すことがあると考えられています。
日常生活の中でも、一定の量は私たちの体に入ってると言われ、触れることの少ない特別な物質というわけではありません。
長い期間にわたって、許される範囲を超えて摂り続けた場合に、発がんのリスクが高まる可能性がある、という物質です。

ニトロソアミン類のうち、発がん性が懸念される物質については、生涯にわたる摂取による発がんリスクを十分に低く抑えるため、1日許容摂取量が設定されています。
今回の物質についても、70年間、毎日摂取し続けた場合のリスクを考慮して基準が設定されています。

今回の製品では、発売からの期間を考慮した暫定管理値が設定されています。
メーカーは、この値で管理した場合でも、生涯の発がんリスクを著しく高める可能性は極めて低いと判断しています。

製造からの時間も考慮して、対象が決まっています

メーカーは、製品に使われている添加剤と、原料や添加剤などに含まれる亜硝酸塩が反応したことが、原因と考えています。

このため、製造した時点だけでなく、製造からの経過時間も考慮して、回収の対象が決められています。
製造から25か月以上たった製品のうち、管理値を超える、または超える可能性のある製品が対象です。
また、確実に回収するために、製造から20か月以上たった製品も定期的に自主回収されます。

今回の回収対象は、ヘパリン類似物質ローション0.3%「NIT」の一部です

今回の回収対象は、日東メディック株式会社の「ヘパリン類似物質ローション0.3%「NIT」」のうち、メーカーから指定のロットです。

ヘパリン類似物質を含む保湿剤は複数ありますが、今回の回収対象は、この製品の指定されたロットに限られます。
ほかの製品については、今回の回収情報だけを理由に使用を中止する必要はありません。

当薬局でもPMDA(医薬品医療機器総合機構)の回収情報を確認しました。
2026年10月19日の時点で、ヘパリン類似物質を含む製品の回収は、この製品だけです。

これまでに使った分について

すでにこのお薬を使われた方にとっては、これまでの使用による影響が気になると思います。

メーカーは、今回設定された暫定管理値で管理した場合でも、生涯の発がんリスクを著しく高める可能性は極めて低いと判断しています。
また、これまでに、この物質に関連して発がん性を示唆する重篤な健康被害等の報告は認められていません。

当薬局としても、すでに使い終わった分について、今回の回収を理由に過度に心配する必要はないと考えています。
一方で、回収対象の製品がお手元にある場合は、今後の使用を避けるため、対象かどうかをご確認ください。

使用期限に達していなくても、使わないでください

お薬の使用期限は容器に書かれていますが、今回の回収の対象になるお薬は、使用期限に達していなくても使用しないでください。
回収対象になっている期限で最新のものは2028年1月です。2028年2月以降の期限のものは、現時点では回収の対象ではありません。

すでにお渡ししたお薬について

今回の回収について、当薬局では、すでに患者さんにお渡ししたお薬を、薬局から個別に回収する対応は行っておりません。お手元のお薬が回収の対象かどうかは、患者さんご自身に確認していただく形になります。

お手元のお薬の確認方法

お手元に「ヘパリン類似物質ローション0.3%「NIT」」がある方は、容器の下部に印字されている表示をご確認ください。

回収の対象かどうかは、製品名だけでなく、ロット番号などを照らし合わせて判断します。使用期限だけでは判別できません。

印字が読みにくい場合や、対象かどうか分からない場合は、ご自身で判断せず、当薬局までご相談ください。

気になる方はご相談ください

お手元の商品が回収の対象かもしれないと思われたら、使い続ける前に、まず当薬局へご相談ください。本体の表示を一緒に確認します。ほかにも保湿剤や塗り薬のことで、気になることがあればお声がけください。

しおはま薬局 TEL 0566-43-3388

※2026年10月19日時点の情報です。回収情報は更新されることがあります。